焼却炉を入れる前に整理したい3つのこと

機種選びで失敗しないための確認ポイント
「小型焼却炉を導入したいけれど、どの機種を選べばよいか分からない」
このようなご相談をよくいただきます。
焼却炉を検討されるお客様の多くは、すでに何らかのごみ処理の悩みを抱えています。
たとえば、
・処分費が年々上がっている
・廃材の置き場に困っている
・回収業者に依頼するたびに費用がかかる
・分別や運搬に手間がかかっている
・自社で処理してコストを抑えたい
こうした理由から、「焼却炉を導入すれば解決できるのではないか」と考え、情報収集を始める方が多いです。
しかし、焼却炉はどれでも同じというわけではありません。
処理したい廃棄物の種類、発生量、設置場所、運用方法によって、適した機種は変わります。
最初から「この機種が良さそう」と決めてしまうよりも、まずは自社の状況を整理することが大切です。
今回は、焼却炉を導入する前に整理しておきたい3つのポイントをご紹介します。
1.何を燃やしたいのかを整理する
まず最初に確認したいのが、「何を焼却処理したいのか」です。
焼却炉を選ぶうえで、処理物の種類はとても重要です。
一口に可燃物といっても、実際にはさまざまな種類があります。
たとえば、
・木くず
・廃プラスチック
・紙くず
・段ボール
・畳
・タイヤ
・ゴムくず
・繊維くず
・建築廃材
・パレット
・塗料やインク関連の廃棄物
など、業種によって発生する廃棄物は大きく異なります。
木くずが中心の場合と、廃プラスチックやゴムが多い場合では、燃え方も煙の出やすさも変わります。
また、畳やパレット、家具のようにサイズが大きいものを処理したい場合は、投入口の大きさや炉内寸法も重要になります。
「燃えるものなら何でも同じように処理できるだろう」と考えてしまうと、導入後に使いにくさを感じる可能性があります。
たとえば、廃材を細かく切断しないと投入できない場合、焼却炉を導入しても作業負担が減らないことがあります。
逆に、最初から処理物のサイズや種類に合った機種を選べば、日々の作業がスムーズになります。
そのため、導入前には次のような点を整理しておくとよいです。
・主に処理したいものは何か
・混ざって出る廃棄物は何か
・サイズはどのくらいか
・水分を多く含むものか
・煙や臭いが出やすいものか
・毎日出るのか、時期によって増えるのか
特に、建設業や解体業では、木くず、廃プラ、断熱材、紙くず、養生材などが混ざって出るケースがあります。
このような場合は、「何が一番多いのか」「何の処分に一番困っているのか」を整理するだけでも、機種選定がしやすくなります。
2.どれくらいの量を処理したいのかを把握する
次に重要なのが、廃棄物の発生量です。
焼却炉には、それぞれ処理能力があります。
そのため、1日あたり、または1週間あたりにどれくらいの量を処理したいのかを把握しておくことが大切です。
よくあるのが、「だいたいたくさん出る」「かなり量がある」という感覚的な情報だけで検討を始めるケースです。
もちろん、最初の段階では正確な数字でなくても構いません。
ただし、機種選定を進めるうえでは、ある程度の目安が必要になります。
たとえば、
・1日あたり何kgくらい出るのか
・1週間で何㎥くらい溜まるのか
・月に何回くらい処分しているのか
・現在の処分費はいくらくらいか
・繁忙期と閑散期で量に差があるのか
こうした情報があると、自社に合った処理能力を考えやすくなります。
焼却炉は、大きければ大きいほどよいというものではありません。
必要以上に大きな機種を選ぶと、導入費用が高くなるだけでなく、設置条件や法令面の確認事項も増える場合があります。
一方で、処理量に対して小さすぎる機種を選ぶと、毎日の処理が追いつかず、結局ごみが溜まってしまいます。
つまり、重要なのは「自社の発生量に合った機種を選ぶこと」です。
また、現在の処分費も大切な判断材料になります。
焼却炉の導入は、単なる設備購入ではなく、廃棄物処理コストを見直すための投資です。
毎月の処分費、運搬費、保管スペースの負担、人件費などを整理すると、導入後にどれくらいのコスト削減が見込めるかを検討しやすくなります。
たとえば、毎月の廃棄物処理費が大きい会社では、焼却炉を導入することで外部委託費や運搬費を抑えられる可能性があります。
一方で、廃棄物の発生量が非常に少ない場合は、焼却炉を導入するよりも、現在の処理方法を続けた方がよいケースもあります。
だからこそ、導入前には「どれくらいの量が出ているのか」「どれくらいの費用がかかっているのか」を整理することが重要です。
3.どこに設置するのかを確認する
3つ目のポイントは、設置場所です。
焼却炉は、購入すればどこにでも置けるというものではありません。
設置スペース、周辺環境、搬入動線、電源、水、燃料、自治体の条例など、事前に確認すべきことがあります。
まず確認したいのは、設置スペースです。
焼却炉本体のサイズだけでなく、作業するためのスペース、廃棄物を一時的に置くスペース、メンテナンスのためのスペースも必要です。
また、フォークリフトやトラックを使う場合は、搬入や作業動線も考える必要があります。
次に、周辺環境です。
工場や事業所の敷地内であっても、近くに住宅や店舗がある場合は、煙や臭い、音に対する配慮が必要です。
チリメーサーは無煙・超低公害の小型焼却炉として開発されていますが、実際の運用では、設置場所や使い方も大切です。
近隣との距離、風向き、煙突の位置なども含めて、事前に確認しておくことで、導入後のトラブルを防ぎやすくなります。
さらに重要なのが、法令や自治体条例の確認です。
小型焼却炉は、処理能力や火床面積によって、届出や測定が必要になる場合があります。
また、国の基準だけでなく、自治体ごとに独自の条例や指導がある場合もあります。
そのため、「小型だから何も確認しなくてよい」と考えるのは危険です。
特に、都市部や住宅地に近い地域では、自治体の運用が厳しい場合があります。
導入前には、設置予定地の自治体窓口に確認することをおすすめします。
確認する際には、
・設置場所の住所
・処理したい廃棄物の種類
・予定している焼却炉の能力
・自社処理かどうか
・設置場所の周辺環境
などを整理しておくと、話がスムーズに進みます。
機種選びは「製品」からではなく「課題」から考える
焼却炉を検討するとき、多くの方はまず製品ページやカタログを見て、機種の比較から始めます。
もちろん、製品の仕様を確認することは大切です。
しかし、本当に重要なのは、「自社のどんな課題を解決したいのか」です。
たとえば、
・処分費を下げたい
・廃材置き場を減らしたい
・回収業者に依存しない体制を作りたい
・環境に配慮した処理をしたい
・煙や臭いのトラブルを避けたい
・分別や運搬の手間を減らしたい
このように、目的によって選ぶべき機種や仕様は変わります。
単に「安いから」「小さいから」「能力が高いから」という理由だけで選ぶと、導入後に自社の運用に合わない可能性があります。
逆に、処理物、処理量、設置場所を整理したうえで選べば、導入後の運用イメージが明確になります。
焼却炉は、導入して終わりではありません。
毎日の業務の中で、安全に、安定して、長く使っていく設備です。
そのため、導入前の整理がとても重要なのです。
まとめ
焼却炉を導入する前に整理したいポイントは、次の3つです。
1つ目は、何を燃やしたいのか。
処理物の種類やサイズによって、適した機種や仕様が変わります。
2つ目は、どれくらいの量を処理したいのか。
発生量や現在の処分費を把握することで、適切な処理能力や投資効果を検討しやすくなります。
3つ目は、どこに設置するのか。
設置スペース、周辺環境、自治体条例などを確認することで、導入後のトラブルを防ぎやすくなります。
この3つを整理するだけで、自社に合う焼却炉を選びやすくなります。
「まだ具体的に決まっていない」
「どの機種が合うか分からない」
「処理できるかどうかだけでも知りたい」
という段階でも問題ありません。
トマス技術研究所では、処理したい廃棄物の種類や量、設置環境をお聞きしたうえで、お客様の状況に合ったチリメーサーをご提案しています。
ごみ処理コストの削減や、自社処理の体制づくりをお考えの方は、まずは現在の処理状況を整理するところから始めてみてください。