なぜトマスは“煙を出さない焼却”にこだわるのか

――それは、島の自然を守りたいという原点から始まりました
焼却炉と聞くと、多くの方はこう思われるかもしれません。
「煙が出るのは仕方ない」
「多少臭いがするのは当然」
しかし、私たちトマス技術研究所は、創業以来ずっと、
その“当たり前”を変えたいと考えてきました。
なぜそこまで“煙を出さない焼却”にこだわるのか。
その原点には、代表・福富健仁の故郷である奄美大島の自然があります。
東洋のガラパゴスで育った原風景
トマス技術研究所代表の福富健仁は、奄美大島の出身です。
奄美大島は、鹿児島と沖縄のほぼ中間に位置し、
固有種や絶滅危惧種が多く生息する、豊かな自然に恵まれた島です。
「東洋のガラパゴス」とも呼ばれています。
この美しい自然の中で育った経験が、
福富の環境に対する意識の原点になっています。
やがて琉球大学工学部で機械工学を学び、
卒業後は沖縄県内のプラントメーカーで約11年間、エンジニアとして勤務。
その中で培った技術経験が、後の開発の土台となりました。
離島が抱える“ごみ問題”を解決したかった
2003年、福富は株式会社トマス技術研究所を設立しました。
そのきっかけは、沖縄や離島地域が共通して抱える、深刻な廃棄物問題でした。
離島では、
- 島外搬出コストが高い
- 埋立地確保が難しい
- 焼却設備整備に費用がかかる
という課題があります。
自然を守りたい。
けれど、ごみを処理しなければ暮らしは成り立たない。
その矛盾を解決するために、
「現場で安全に処理できる小型焼却炉」を作ろうと決意したのです。
最大の壁は、“煙を出さない”ことだった
しかし、開発は順調ではありませんでした。
小型焼却炉で最も難しいのは、
煙を出さず、さらに有害物質を抑えること
でした。
木くずや紙だけなら比較的燃やしやすい。
けれど現場で本当に困っているのは、
- 廃プラスチック
- 廃タイヤ
- 混合可燃物
です。
こうした燃えにくい廃棄物を燃やしながら、煙を出さない――
それが最大の壁でした。
試行錯誤の末に生まれた独自技術
何度も失敗を重ねる中で、
福富たちはついに煙発生の本質原因を突き止めます。
そして開発したのが、
煙そのものを燃焼させる独自技術
でした。
この技術により、
- 煙を大幅に抑える燃焼
- 有害大気汚染物質の低減
- ダイオキシン排出量を法規制値の50分の1以下
を実現。
これが、特許技術として確立された
トマス独自の燃焼システムです。
「本当に煙が出ない」とはどういうことか
世の中には多くの焼却炉メーカーがあります。
しかし私たちは、こう考えています。
木くずや紙を燃やして煙が少ないのは、
ある意味当然です。
本当に重要なのは、
“あなたが処理したいゴミを燃やしても煙が出ないか”
ということです。
さらに言えば、
誰が運転しても、安定して煙を抑えられること
ここまで実現できて、初めて安心安全な焼却と言えるのです。
安さより、本質的な問題解決を選ぶ理由
私たちは、価格だけを優先した製品づくりはしていません。
安価で短納期でも、
- 煙が出る
- トラブル時に対応しない
- 現場に合わない
のであれば、それは本当の意味でお客様の課題解決にはなりません。
トマスが大切にしているのは、
- 本当に煙を出さないこと
- 採算性が合うこと
- 導入後も安心して使えること
です。
そのために、導入前には必ず、
- ゴミの種類
- 発生量
- 処分費
- 設置環境
を細かく伺い、最適機種を選定しています。
100種類を超える製品開発の理由
ゴミ問題は、お客様ごとに違います。
建設現場、工場、整備工場、離島施設――
出るゴミはすべて異なります。
そのためトマスでは、
これまで100種類を超える製品を開発してきました。
それは、
「一つの機械を売る会社」ではなく、
「一社一社の問題を解決する会社」でありたいからです。
技術者としての誇りが、煙を出さない理由
煙を減らすだけなら、方法はいくらでもあります。
けれど私たちは、そこでは満足しません。
“誰が使っても、何を燃やしても、煙を抑える”
そのレベルを目指し続けるのは、
日本の技術者としての誇りです。
煙を出さない焼却へのこだわり。
それは、奄美の自然を守りたいという原点から始まり、
今も変わらず、私たちのものづくりの中心にあります。