ついに開発に成功!グリストラップによる廃油再資源化装置
「自然を守る。技術で社会に貢献する」を企業理念に22年前に創立したトマス技術研究所は、これまで多くの製品を開発し沖縄県のモノづくりを牽引してきた。「技術者だからできること、そして、技術者でないとできない環境改善を」との思いで起業した代表の福富健仁氏は孤軍奮闘し、2003年に環境問題解決のために小型焼却炉チリメーサーを開発、その後、地球温暖化防止の環境問題に対応するために焼却廃熱利用サーマルチリメーサーを開発した。そして、今日では生活での困りモノの廃油を処理すると同時に「再資源化」しようという「グリストラップ再資源化装置」の開発に取り組んでいる。
このグリストラップ廃液に注目したのは、離島にその処理施設がないからだ。そのため沖縄本島に輸送するコストが高くつき、飲食店や産業廃棄物事業の経営を圧迫しているという。「島内に処理施設を!」という島民の思いを受けて、半年前から開発にとりかかったという。この装置の目指すところは「処理するだけではなく、燃料と堆肥への再資源化だ」と福富さんは話す。しかし、再資源化といっても容易ではなく、開発の道は険しかった。やっと基本設計から実施設計に移り、その設計を検証するプラントシミュレーターによる設計検証の段階に入ろうとしているところだという。そして数年以内の製品化を目指す、と。製品化したあかつきには、島内で、安価で安心してグリストラップ廃液を処理できるようになる。もちろん「離島ばかりでなく、本土で人口減になやむ山間地域でも役に立とうと、社員と一丸となって図面を引いている」と福富さんは意気込んでいる。