自社処理と外注処理、10年後に見えてくる「本当の差」とは

廃棄物処理を考えるとき、
多くの事業者が最初に選ぶのは「外部委託」です。
初期投資が不要で、
手間もかからず、
「とりあえず回る」方法だからです。
しかし、この選択を
10年という時間軸で見たことはあるでしょうか。
この記事では、
自社処理と外注処理を
「どちらが良いか」ではなく、
「10年後、何がどう違っているのか」
という視点で整理していきます。
なぜ、多くの会社が外注処理を選ぶのか
外注処理が選ばれる理由は、とても分かりやすいものです。
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初期投資が不要
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設備管理の手間がない
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法令対応を任せられる
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すぐに始められる
特に、創業期や事業拡大期では、
「余計な固定費を持たない」ことは重要な判断です。
外注処理は、
短期的には合理的な選択であることは間違いありません。
問題は、
この判断を「何年も続けた場合」です。
外注処理のコストは、なぜ見えにくいのか
外注処理の費用は、
毎月の請求書として現れます。
そのため、
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月10万円
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月15万円
といった金額を見ても、
それほど大きな負担に感じないことがあります。
しかし、ここに
時間が加わると、話は変わります。
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年間120万円
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10年で1,200万円
さらに、
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処分単価の値上げ
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燃料費高騰による運搬費増
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分別・保管にかかる人件費
こうした要素が重なり、
実際には2,000万円を超えていた
というケースも珍しくありません。
外注処理の怖さは、
「いつの間にか積み上がっている」ことにあります。
もうひとつの外注リスク「選択肢が減る」
外注処理には、
コスト以外のリスクもあります。
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委託業者の廃業
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引き取り条件の変更
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受け入れ量の制限
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法令対応の厳格化
こうした変化は、
ある日突然起こります。
そして問題が起きたとき、
多くの場合、「代わりがない」
という状況に直面します。
選択肢があるうちに考えるのと、
追い込まれてから決めるのとでは、
判断の質は大きく変わります。
自社処理という選択肢は、何が違うのか
一方、自社処理はどうでしょうか。
確かに、
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初期投資が必要
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設備管理が必要
というハードルがあります。
しかし、長期で見ると、
お金の流れはまったく違ってきます。
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処分費・運搬費が大幅に減る
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ゴミが溜まらない
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ヤード・現場が有効活用できる
毎月の支出が
「変動費」から「管理可能なコスト」に変わることで、
経営の見通しが立てやすくなります。
10年スパンで考えると、判断は変わる
ここで一度、
極端に単純化して比較してみましょう。
外注処理の場合(例)
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月15万円 × 12か月 × 10年
→ 約1,800万円
※ 値上げ・人件費は含まず
自社処理の場合(例)
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初期投資:数百万円
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ランニングコスト:燃料・消耗品など
もちろん条件は会社ごとに違います。
しかし重要なのは、
「どこかで逆転するポイントが来る」
という事実です。
この逆転点を理解せずに判断すると、
「安いと思っていた選択」が
長期的には高くつくことになります。
自社処理が向いているケース・向いていないケース
自社処理は万能ではありません。
向いているケース
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毎月一定量の廃棄物が出る
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処分費が経営を圧迫し始めている
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委託先や法令に不安がある
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ゴミを溜めず、現場を回したい
向いていないケース
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廃棄物量が極めて少ない
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外注処理が長期的に安定している
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ゴミ処理が経営上ほとんど問題になっていない
重要なのは、
**「自社はどこに当てはまるのか」**を
冷静に整理することです。
判断を先送りにしない、という選択
多くの会社が、「もう少し様子を見てから」と判断を先送りします。
しかし、
外注処理を続けるということは、
現状維持という選択をしている
ということでもあります。
そして現状維持は、
コストとリスクが
確実に積み上がる選択でもあります。
自社はどちらが向いているのか?
ここまで読んで、
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自社処理が気になる
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でも、まだ判断材料が足りない
そう感じた方も多いと思います。
大切なのは、
「今すぐ導入するかどうか」ではありません。
判断できる材料を、早めに揃えておくこと
それ自体が、経営リスクを下げる行動です。