建設混合ごみの“処理の壁”とは何か?|リサイクルできない現場、分別の限界とその先にある選択肢
建設現場の“ごみ”には、見えない壁がある
建設業に携わる方であれば、「建設混合廃棄物」という言葉に聞き覚えがあるはずです。
木くずやコンクリート片、石膏ボード、プラスチック、ガラス、断熱材……。現場から出てくるこれらの廃材は、時に複雑に混ざり合い、「混合廃棄物」として処理されます。
この混合ごみ、実は今、大きな問題を抱えています。
建設混合廃棄物の最終処分率はおよそ4割に達すると言われています。
これは、リサイクルや再資源化されずにそのまま埋立て処分された量の割合を意味します。
つまり、約4割が再利用できず、埋立て地へと直行しているのです。
なぜ、リサイクルできないのか?
「建設業は再資源化が進んでいる」と言われることがあります。
実際、コンクリートがらやアスファルトなど、単一素材の廃棄物は再利用が進んでいるのも事実です。
しかし、問題は“複数の素材が混ざっているごみ”です。
たとえば、壁を壊せば中からは石膏ボード、木材、断熱材、ビスや釘、配線、プラスチックが一緒になって出てきます。
分別するには手間がかかり、人員もスペースも足りない。
しかも、建材には新素材がどんどん使われており、素材の判別すら難しいケースも増えています。
その結果、「仕分けしきれずに混合状態で廃棄」→「最終処分場で埋立て」という流れが生まれているのです。
高コスト・高リスク・高ストレス
こうした混合廃棄物の処理は、単なる処分率の話ではありません。
現場にとっては、コスト・リスク・ストレスという三重苦の原因でもあります。
- コスト: 分別作業に人手がかかり、混合ごみの処理費も高額になる
- リスク: 分別不足で行政からの是正指導や罰則のリスクがある
- ストレス: 作業員が疲弊し、工程が遅れ、現場全体の雰囲気も悪化する
とくに中小規模の建設・解体事業者にとって、「分別の手間」と「コスト」との間で板挟みになることは、もはや日常茶飯事かもしれません。
分別だけが正解ではない
ここまで読むと、
「やはり、分別をがんばるしかないのか…」と思われた方もいるかもしれません。
たしかに、分別の徹底は重要です。
現場ごとの分別計画を立て、容器を配置し、作業員を教育し、ルールを守る。
でもそれだけでは、限界があるのもまた事実です。
人手が足りない、スペースがない、時間がない、そして利益が残らない──
このような状況に悩む企業にとって、「分別ありき」の発想から一度離れてみることも必要かもしれません。
「分別しない」という新しい選択肢
近年、分別が難しいごみをそのまま焼却処理するという方法に注目が集まっています。
たとえば、小型焼却炉「チリメーサー」は、
- タイヤやプラスチック、布、紙など多種多様な可燃物を分別せずに焼却可能
- 無煙・無臭・超低ダイオキシンで環境にも配慮
- 操作もボタン一つの全自動運転
という特徴を持ち、分別に悩む現場の負担を根本から解消する手段として導入が進んでいます。
分別不要で処理できれば、
- 作業時間が短縮され
- 処理場への運搬費も減り
- 現場のスペースもスッキリし
- 結果的にごみ処理コストが削減されます。
「分別しない焼却処理」は“逃げ”ではない
「分別しない」というと、逃げ道のように聞こえるかもしれません。
しかし、分別困難な廃棄物を適正に・安全に処理する仕組みを持つことは、むしろリスク対策として極めて現実的で有効な手段です。
分別できないからこそ、焼却。
焼却だからこそ、現場の混乱を防ぎ、利益を守り、法令も守り、環境にも配慮できる。
それが、混合廃棄物処理の壁を乗り越える鍵となるかもしれません。
おわりに
「分別ができない」ことを、「仕方がない」で済ませるのではなく、「処理できる体制を自ら持つ」という方向に切り替える。
その選択が、これからの建設業の現場に求められているのではないでしょうか。
分別作業に悩んでいるなら、まずは選択肢を知ることから始めてみてください。
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