リスクを乗越え「できないをできるに」! 廃燃料の処理を可能にしたトマスの技術!

沖縄県のモノづくりを支えるリーディングカンパニーとして活躍するトマス技術研究所(うるま市・福富健仁代表)がダイオキシンが限りなくゼロ、臭いも、煙もでない超小型焼却炉を開発して22年。積み重ねた技術を生かし、廃燃料を処理する新たな焼却炉を開発した。「これまでの『燃焼』という考え方では成し遂げられなかった」と代表の福富さんは話す。
開発のキッカケは自動車整備業を営む事業者の相談からはじまった。その相談とは「ガソリンと軽油が混ざった混合廃燃料を安全に、費用負担を抑えて処理できないか」というもの。たとえば、ガソリンスタンドなどで給油中にガソリン車に誤って軽油を給油してしまったり、ディーゼル車に誤ってガソリンを給油してしまうといった「入れ間違い」をしたらどうなるか、だ。当然、エンジンをかけた瞬間に故障が発生し、修理のために整備工場へ運び込まれる。
その整備工場では燃料タンク内の燃料を抜き取る作業からはじめる。このときに発生するのが、ガソリン・軽油の混合廃燃料ということだ。この廃燃料処理には極めて高額な処理費が発生するという。そこで相談事が「それを安全に、かつ格安で自社で処理したい」というのだ。さすがに難題、とトマス技研の研究開発部のメンバーも頭を悩ました。
当初は「ガソリンは常温でも引火性が高く、取り扱いには最大限の注意が求められる危険物、爆発リスクが高い」と尻込み。実際、「開発初期の段階では、炉内で爆発が起きるという場面もあった」という。そうだが、ピンときたのはトマス技研の得意分野である「タイヤを処理しても煙を出さない燃焼制御技術」だった。これを応用したのが新開発の「熱分解処理装置」で、危険と隣り合わせの廃燃料を安定かつ安全に処理できる装置をつくることができた。
外観は「チリメーサーTG49型」と変わりはない「チリメーサーTG49新型熱分解装置」(仮称)。お客様の「ありがとう」が危険を乗り越えて完成した喜びに変わった瞬間だった。と開発チームは話す
あらためて「現場の困りごとは自分ごと」と取り組む姿勢がこの新開発につながった。「今回の技術開発はトマスにとっても大きな一歩になった」と福富さんは話す。