医療系ゴミの焼却処理のススメ

医療系ゴミの焼却処理のススメ

病院やクリニックから日々排出される医療系ゴミ。
その多くは感染リスクや化学的危険性を伴い、一般廃棄物とは異なる特別な取り扱いが求められます。

「どう分別すべきか?」
「焼却処理は必須なのか?」
「外部委託と院内処理、どちらが現実的か?」

この記事では、医療系ゴミの現状と焼却処理の意義を整理し、医療機関にとっての“ススメ”をお伝えします。

医療廃棄物とは?その分類と特徴

医療廃棄物は、病院・診療所・検査施設などの医療行為から発生する廃棄物の総称です。大きく2種類に分類されます。

  • 感染性廃棄物
     血液や体液の付着したガーゼ、注射針など。病原体を媒介する恐れがあり、厳重な管理が必要です。
     専用容器にはバイオハザードマークが付され、赤(血液類)、橙(体液付き固形物)、黄(鋭利物)など色分けされます。

  • 非感染性廃棄物
     使用済みゴム手袋や薬品の空容器など。感染リスクは低いものの、適正な分別と処理が求められます。

この分類は、感染拡大防止や環境汚染防止のために欠かせない第一歩です。

焼却処理が推奨される理由

感染性廃棄物の処理には、オートクレーブ滅菌や薬剤消毒といった方法もありますが、もっとも信頼性が高いのは焼却処理です。

焼却処理の利点

  1. 感染リスクを根本から除去
     高温で燃焼することでウイルス・細菌を確実に不活化できます。

  2. 大幅な減容化
     廃棄物は焼却によりおよそ1/20まで体積が減り、最終処分場の負担を軽減します。

  3. 法令上の位置づけ
     環境省や厚労省のマニュアルでは、感染性廃棄物の焼却処理が基本方針として示されています。

このため「感染性廃棄物はまず焼却」という考え方が医療現場のスタンダードです。

焼却炉の導入状況と現実的な選択肢

大規模病院

かつては院内焼却炉を持つ病院が多くありましたが、ダイオキシン排出規制や維持管理コストの増大を背景に、稼働数は減少しています。現在では、院内に高性能焼却炉を備える病院は限られているのが実情です。

中小規模病院や診療所

地方や離島では、外部処理業者が少ないため、小型焼却炉を導入して処理している例もあります。ただし都市部では、ほとんどのクリニックや中規模病院は外部委託が一般的です。

外部委託が主流

現在の主流は、外部専門業者への委託処理です。
許可を受けた収集運搬業者が専用容器を回収し、焼却施設で処理します。マニフェスト制度により、排出から最終処理までの流れが記録され、適正処理が保証されます。

法律と安全の枠組み

医療廃棄物は「廃棄物処理法」などの法律により、厳格に管理されています。

  • 排出事業者責任
     最終的な処理完了まで、廃棄物を出した医療機関が責任を負います。

  • 分別・保管
     専用容器での適切な分別と、院内での一時保管が義務づけられます。

  • 収集運搬の制限
     無許可の業者は処理に関与できず、許可業者のみが運搬可能です。

  • マニフェスト制度
     廃棄物の流れを台帳で追跡し、不適正処理を防止します。

  • 業者選定のポイント
     許可証の有無、実績、優良事業者認定などを確認することが推奨されます。

院内焼却炉導入の検討ポイント

焼却炉を導入するか、外部委託に任せるかは施設ごとに事情が異なります。

メリット

  • 廃棄物を即時処理できるため、感染リスクや保管リスクを軽減

  • 長期的に見ると、外部委託よりコストが下がる可能性がある(大量廃棄物が出る場合に限る)

  • 地域で処理業者が少ない場合に有効

デメリット

  • 導入・維持コストが高い

  • 専門知識を持つ人材が必要

  • 規制遵守のハードルが高い

結論として、都市部の大半の医療機関では外部委託が現実的であり、焼却炉導入は廃棄物量が多く、委託が難しい地域で選択肢となります。

今後の方向性:環境と安全の両立

医療廃棄物処理の分野では、次のような動きが進んでいます。

  • 無煙・低公害型焼却炉の開発
     黒煙や臭気を抑える技術が進展し、地域環境に配慮した処理が可能に。

  • 共同焼却施設の活用
     都市部では自治体や医療機関が共同で利用し、効率化と環境対策を同時に実現。

  • 国際協力
     日本の技術やノウハウがアジア諸国などの医療廃棄物問題解決に活用される事例もあります。

まとめ:医療現場に必要な“焼却処理のススメ”

医療廃棄物は、感染防止と環境保全の観点から、適正な管理と焼却処理が欠かせません。

  • 感染性廃棄物は焼却処理が基本

  • 都市部では外部委託が主流

  • 院内焼却炉は地域や規模によって検討余地あり

  • 法令遵守と安全確保が最優先

焼却処理の選択は単なる後処理ではなく、医療機関が果たすべき社会的責任の一部です。
持続可能な地域医療を支えるために、今後も「環境と安全の両立」を意識した仕組みづくりが求められています。

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メディカル・チリメーサー製品ページ:
メディカル・チリメーサー | チリメーサーのトマス技術研究所

メディカル・チリメーサーの導入事例:
インドネシア国バリ島ワンガヤ市立総合病院さま | チリメーサーのトマス技術研究所

 

 

 

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