チリメーサーとSDGs目標12:つくる責任 つかう責任
弊社、トマス技術研究所は「技術を通した環境改善」をミッションとしています。
その中で、私たちが特に注目しているのが、SDGs(持続可能な開発目標)の12番目の目標「つくる責任 つかう責任」です。
この目標は、地球環境への負荷を減らすために「持続可能な生産と消費のパターン」を確立しようというもの。資源の使いすぎや、廃棄物の増加、環境汚染など、私たちの社会が抱える多くの課題に直接関係するテーマです。
「責任ある消費と生産」がなぜ今必要なのか?
今、世界では大量生産・大量消費・大量廃棄のサイクルが加速しています。食品ロスやプラスチックごみの問題、資源の枯渇などが顕在化する中で、「必要なものを、必要なだけ、長く大切に使う」という考え方が求められています。
たとえば、日本国内だけでも、まだ食べられるのに廃棄されている「食品ロス」は年間約522万トン(※農林水産省 令和3年度推計)。これは日本人一人あたり毎日おにぎり1個分を捨てているのと同じ計算になります。
このような状況を改善するには、消費者の意識改革はもちろん、生産の現場や廃棄処分の方法にも大きな変化が必要です。
チリメーサーが貢献できる「つくる責任・つかう責任」
私たちが開発・提供している小型焼却炉「チリメーサー」シリーズは、「つくる責任 つかう責任」の実践を技術の面から支えています。
たとえば、廃棄物の多くは、回収・運搬・処分といったプロセスの中でエネルギーやコストを大量に消費し、さらに適切に処理されないと環境汚染の原因にもなります。
しかし、チリメーサーなら、現地での少量・多品種の廃棄物処理が可能です。
しかも、煙や有害ガスをほとんど出さず、法規制を大きく下回るダイオキシン排出レベルを実現しているため、環境への負荷も大幅に軽減できます。
これにより、事業所や現場単位での「責任ある廃棄物管理」が実現でき、まさにSDGs12の精神に即した取り組みを可能にしています。
「見えないごみ」への責任も
もうひとつ重要なのが、「見えないごみ」への意識です。
製造業やサービス業においては、「廃棄物」だけでなく、「時間」や「エネルギー」なども浪費しがちです。たとえば、廃棄物処理のために長距離を移動する車両の燃料や、人件費、保管コストなども立派な“ムダ”です。
チリメーサーを導入することで、その場での処理が可能となり、これらの間接的なムダを減らすこともできます。
つまり、見えない資源ロスへの責任も果たすことができるのです。
廃棄から再利用へ、「持続可能な循環型社会」へ
さらに私たちは、Waste to Energy(廃棄物からエネルギーへ)の思想も取り入れています。たとえば、チリメーサーの一部モデルでは、廃熱を利用してお湯を沸かす「サーマルチリメーサー」としての活用も進んでいます。
焼却=終わりではなく、エネルギーとして再活用することで、循環型社会の実現にも貢献しています。
また現在、グリストラップに溜まる廃油をその場で処理し、オイルや堆肥として再資源化できる装置の開発にも取り組んでおり、3年以内のリリースを目指しています。
これにより、離島や地方の飲食店・施設など、廃油の処分に困っている地域でも、持続可能な方法で処理・再利用できる環境が整う予定です。
このように、「廃棄=コスト」から「廃棄=資源」への転換を目指し、トマス技術研究所は今後も技術を通じて、循環型社会の実現に向けた具体的な一歩を積み重ねていきます。
未来に向けた責任
SDGs12「つくる責任 つかう責任」は、一見するとメーカーや消費者個人の話に見えるかもしれません。しかし実際には、地域の企業や事業者、自治体など、あらゆるレベルでの協働が必要不可欠です。
私たちトマス技術研究所も、「自分たちにできる範囲から、責任ある選択を積み重ねていく」ことをこれからも大切にしながら、新たな技術と製品の開発に挑戦してまいります。