ゼロエミッションを実現するステップ

~理想から現実へ、企業が取り組むべき5つの具体策~

「ゼロエミッション(Zero Emission)」という言葉がビジネスの現場で語られるようになって久しくなりました。

もともとは1994年、国連大学が提唱したコンセプトで、「廃棄物を出さない生産システムを構築しよう」という考え方に端を発します。

当初は環境分野や一部の大企業での取り組みに限られていましたが、脱炭素社会やSDGsの流れを受けて、今では中小企業や地方の製造業でも無視できないテーマとなっています。

とはいえ、「ゼロエミッション=ごみを一切出さない」と捉えてしまうと、あまりにもハードルが高く、「自社では無理だ」と諦めてしまう経営者の方も多いのが現実です。

本記事では、ゼロエミッションを理想論で終わらせず、現場で実践できる形に落とし込むためのステップを、具体例とともに紹介します。

ゼロエミッション

ステップ1:現状の「排出マップ」を可視化する

まず最初に取り組むべきは、自社の活動によって何が・どれだけ排出されているかを可視化することです。
製造業であれば、原材料の仕入れから製造工程、梱包、出荷に至るまでの各段階でどんな廃棄物が生じているかを洗い出しましょう。ここで重要なのは、「産業廃棄物」や「一般廃棄物」に限らず、再利用可能な資源の扱いも含めて分類すること。

たとえば、以下のように整理すると分析しやすくなります:

  • 再資源化可能なもの(段ボール、金属くず、プラスチックなど)

  • 現状では焼却・埋立てしているもの

  • 社内でリユースされているもの

  • 排出量の多いもの、頻度の高いもの

この「排出マップ」を作ることで、次のステップに向けた判断材料が整います。

ステップ2:再資源化・リユース可能なものを見直す

次に、排出物のうち再資源化の可能性があるものを徹底的に見直します

たとえば、

  • これまで捨てていた包装材が、実は業者に引き取ってもらえる

  • 廃プラスチックが再生材として売却できる

  • 木くずがバイオマス原料として利用できる

といったことが判明するケースは少なくありません。

また、「一度で使い切る前提」になっている資材が、実は複数回使える設計になっていることも。現場のオペレーションを変えるだけで、廃棄物がぐっと減る可能性もあります。

こうした改善は、単なる環境貢献にとどまらず、コスト削減にもつながる重要なポイントです。

ステップ3:外部に依存せず、社内で処理する体制を構築

「再資源化できないごみ」への対応は、ゼロエミッション達成の最大のハードルです。この部分に関しては、これまで多くの企業が「業者に任せるしかない」と考えてきました。

しかし、近年では小型焼却炉のような自社内で安全かつ環境に配慮して処理できる技術が登場しています。

たとえば、煙や臭いをほとんど出さず、ダイオキシンなどの有害物質の排出量も法規制値を大きく下回る焼却炉が存在します。これらを活用すれば、再利用できない最終残渣を外部に運ばずに現場で処理できるようになります。

つまり、排出量をゼロに近づけるための「最後の一歩」として、こうしたツールをどう使うかがカギとなるのです。

ステップ4:運用ルールと社内の仕組みを整える

機器や仕組みを導入しても、それがきちんと運用されなければゼロエミッションは実現しません

具体的には以下のようなポイントを押さえましょう。

  • 排出物の分別ルールを現場の作業マニュアルに明記する

  • 担当者に対して、教育・定期的なチェック体制を設ける

  • 廃棄処理の記録を残し、継続的な改善材料とする

ゼロエミッションは一度やって終わりの施策ではなく、継続的に見直すプロセスです。だからこそ、社内で「環境への配慮=自分ごと」として捉えられる文化づくりが欠かせません。

ステップ5:社外に“見せる”ことで企業価値を高める

ゼロエミッションへの取り組みは、対外的にも大きなアピール材料になります。たとえば、次のような用途で活用できます。

  • CSR報告書や統合報告書での環境配慮の実績紹介

  • BtoBの取引先に対する信頼性の向上

  • 採用活動での企業イメージアップ

  • 自治体との連携・助成金獲得の可能性

環境施策は「やっているだけ」ではもったいないのです。きちんと発信することで、企業の価値そのものを押し上げる武器になります。

まとめ:ゼロエミッションは、“できるところから”始めればいい

理想だけを追うと、ゼロエミッションは「できる企業だけの話」に思えてしまいます。しかし、本当に大切なのは「完璧を目指すこと」ではなく、まずは“自社にできること”から着実に進めること

現場で出る廃棄物を見直し、再資源化できるものは再資源化し、どうしても出てしまうものは、外に出さずに社内で責任を持って処理する。

そんなふうに、“理想と現実の間を埋める”実践的なアプローチこそ、今の時代に求められている姿です。

Thomas 技術研究所では、ゼロエミッションを目指す企業様向けに、小型焼却炉などの環境対応型ソリューションを提供しています。

「何から始めていいか分からない」という段階からでもご相談可能ですので、まずはお気軽にこちらのページをご覧ください。

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2025年4月15日ブログ