分別が現場を止める本当の理由｜「なんとなく必要」で済ませていませんか？

建設現場では日々、多くの廃棄物が発生します。
とくに解体や改修工事などでは、コンクリート片、木くず、金属、石膏ボード、プラスチックなど、さまざまな廃棄物が混在しがちです。

これらを適切に処理するために「分別」が必要なのは当然ですが、問題はその分別作業がどれほど現場のコストと進行に影響しているか、きちんと把握されていないケースが多いということです。

「30分だけ」でもコストは万単位？

例えば、混合廃棄物を仮置き場で手作業で分けているとします。
作業員2名が30分かけて分別したとしましょう。

仮に1名あたりの人件費が時給2,000円であれば、
この30分だけで2,000円 × 2人 = 4,000円のコストが発生しています。

しかも、これは“直接生産に関わらない時間”。
つまり、本来予定していた作業がそのぶん遅れたり、
工期が伸びたりする原因にもなりかねません。

これが毎日、毎週、現場ごとに繰り返されていれば、
月単位では数十万円規模の無駄なコストになることもあるのです。

「見えないコスト」が現場を止める

多くの企業では、産業廃棄物の処理費用は契約書や請求書で明確に確認できます。
しかし、分別にかかる時間や人件費は、帳簿に載らない“隠れコスト”です。

・処理会社の要望で仕分けを細かくしているが、その意味がわからない
・新入社員に分別作業を任せるとトラブルが起きる
・重機のオペレーターが手待ちになってしまう
・分別ルールが不明確で現場で混乱する

こうした「ちょっとした問題」が積み重なると、
結果として現場の生産性を大きく下げてしまうのです。

分別の“手間”を見直す3つの視点

では、どうすればこのような「分別による現場の停滞」を防げるのでしょうか。
以下の3つの視点で現状を見直してみてください。

1. 分別の“理由”を整理する

まずは、現在の分別ルールが「法的に必要なもの」なのか、
「処理会社の都合なのか」を明確にします。
必要以上に細かい分別をしていないか、見直すだけでも負担は減らせます。

2. 分別作業の“総コスト”を可視化する

一度、実際に分別にかかっている時間と人件費を計算してみてください。
その数字が「月に数万円程度」なのか「数十万円になる」のかで、
取るべき対策の優先順位が変わってきます。

3. 焼却処分など“別の手段”を検討する

たとえば、分別せずに処理できる手段があれば、
作業時間も人件費も大幅にカットできます。
最近では、タイヤや混合ごみも前処理なしで焼却できる装置も登場しており、
こうした技術を取り入れることで、分別に割いていた人手を本来の業務に戻すことが可能になります。

現場を止めないために、「当たり前」を見直す

「分別は必要なこと」──確かにそれは間違いではありません。
しかし、その“必要”がどれほどの負担を生み出しているか、
見過ごされていることが非常に多いのです。

分別作業が“なんとなく”のまま放置されているなら、
一度立ち止まって見直してみてください。
その改善が、現場のスピードも利益も大きく変えるきっかけになるかもしれません。

編集後記：分別しなくていい未来をつくるには？

私たちは、分別の手間を根本的に減らす方法として、
多様なごみをまとめて焼却できる小型焼却炉の開発・提案を行っています。

もちろん、すべての現場に適しているわけではありませんが、
「分別が現場を止める問題」に直面している方にとっては、有効な選択肢となりえます。

「もっと効率のよい方法はないか？」とお考えなら、
一度、情報を見ていただければ嬉しいです。

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