離島で廃油の再資源化へ:沖縄建設新聞出版 2025/04/09掲載
沖縄建設新聞2025/04/09(水)に掲載されました!
以下、記事の要約です。
離島で廃油の再資源化へ~実用化めざし装置開発~
飲食店などの厨房排水処理に使われる「グリストラップ」には、廃油やし渣(しざ)などが溜まります。これらの処理は専門業者が行うことが一般的ですが、離島や僻地では処理施設が乏しく、輸送費や処理費が高騰し、適切な処理の実施が難しい状況にあります。
特に、島や僻地ではグリストラップの維持管理コストが増加し、劣化が進行。衛生面への影響や環境負荷が懸念されており、地域内で処理と再資源化を行う「ダブルルート」を備えた装置の必要性が高まっています。
こうした課題を解決すべく、トマス技術研究所(代表:福富健仁)では2023年10月より、廃液を現地で処理し、燃料や堆肥、工業用潤滑油などへと再資源化する装置の研究開発に着手しました。開発には地元出身の技術者も多数参加しており、地域に根ざした実用化を目指しています。
この装置は、廃液を油分と固形物に分け、それぞれを再利用可能な資源へと変換。液状の油分は分留・蒸留処理を行い、バーナー燃料や潤滑油として再利用。し渣や汚泥分は乾燥・炭化を経て堆肥や燃料にすることで、資源循環型の廃油処理を実現します。
現在は基本設計を終え、プラントシミュレーターを用いた設計検証段階に入っており、実機の製作と現地での実証を経て、数年後の社会実装を計画中です。
福富代表は「離島や僻地にこそ、地域内で完結できる廃油処理と循環型資源利用の仕組みが求められている。社員一丸となって実現したい」と意欲を示しています。